システム運用エンジニアの現状

システム運用エンジニアは、IT業界が世間に広く認知されるのに伴い、時代の先を行く花形の仕事として注目されました。最先端の科学技術に触れられる点が高く評価されましたが、その一方で需要に対して必要な人員が不足しているのも事実です。そのため、一人が数人分の仕事をこなす状況に陥り、労働時間の長期化が問題視されるようになりました。また、システム運用はネットワークの監視やトラブルの予防策を講じるのが本来の仕事ですが、人手不足を理由にバグの修正やパッチ作成など、保守関係の仕事を兼任するのが常態化しています。人手不足を解消するために未熟な人材を雇ってしまい、トラブルが頻発するケースも多いです。

需要に対する人員の少なさを解消するため、エンジニアの育成に取り組む会社や団体が増加しています。しかし、システム運用の仕事は常に最新の知識や技術が要求されるため、雇用側が求める人材を短期間で育成するのは容易ではありません。また、エンジニアの仕事は利益に直結することが少なく、職種によってはあまり重視されない傾向もあります。多忙でありながら得られる収入が、ほかのIT関係の職種より低いこともなり手が少ない理由の一つです。待遇改善に取り組む会社や団体は決して少数ではないものの、IT業界全体の問題点が改善されているとは言い難い状況と言えます。高度なスキルを持つ外国人エンジニアを雇用するケースもありますが、日本語でのやり取りが難しい問題も出てきているのが実情です。